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公開講座 第3回目

2015-12-12


 「癒し」をテーマにした公開講座第3回目は、NPO法人ライフスキル研究所(http://lifeskill-npo.org/index.html)理事長で芸術療法士の小村みち先生を講師に迎え、「アートでコミュニケーション~子育て・孫育て・自分育てを楽しむ~」と題して行われました。
 

小村みち 先生  


 講座では、まず参加者に「クレヨンや色鉛筆を最後に持ったのはいつ?」「アートとの距離は近い?遠い?」と質問があり、およそ半分がアートとはちょっと縁遠く、画材を持ったのは何年も前、あるいは子どもの時、さらには忘れたという方もおられました。小村先生によれば、学校教育の「美術」が原因でアートへの苦手意識が形成されてしまうことが往々にしてあるそうです、本来アートはもっと身近なもので上手下手関係なく楽しめ、日々の生活で役に立つものなのです。さらに、それが具体的にどういうことか、実際に体験すべく2つのワークが行われました。


 1つ目は「ぐるぐる描き」。好きな色のクレヨンで画用紙に好きなように自由に手を動かして描くというものです。最初は戸惑いを見せていた参加者も、「何かを描こうと考えないで、手の動きにクレヨンが付いてくる感じで…」との言葉にだんだん解き放たれ、様々な線と心地よく戯れられたご様子でした。

 

ぐるぐる描き 作品発表


 2つ目のワークは研究所オリジナルのワークブックを使った「好きなものボックス」。画用紙には蓋の開いた四角形の空箱が印刷されており、その中や外の余白に自分の好きなモノ・コトや大事なモノ・コトを描いていくというものです。イメージが湧かない、描くのが難しいといった場合は、前の机に並べられた無数のイメージ(雑誌やチラシから切り抜かれた風景やアイテムの写真)を選んで貼ることもできました。参加者の数だけ様々なボックスが生まれ、様々な物語が出来上がりました。
 そして制作中に自分が感じたことや思い出、希望などを参加者同士で語り合いました。ここで大切なのは、ワークで語られたことは参加者同士だけのものにしておくというグループワークの基本的なルールが予め確認されていたことです。これによって、安心できる枠組みの中で自分を出すことができ、表現への心理的バリアも下がります。

 

無数のイメージ達 好きなものボックス作成中


 小村先生によると、人はこうした表現プロセスを通じて、自分と向き合ったり、溜めていたものを吐き出したり、大事な人や記憶を思い出したりしているそうです。また、絵という視覚的に表現された素材を介することで自分と自分、自分と他者との対話がしやすくなり、共感や相互理解が生まれやすくなります。アートは高尚なものだ、アートは難しいといった意識を変え、「よりよく生きるためのアート」として普段の生活のなかに気軽に取り入れてほしいと述べられました。 参加者の方々からは「苦手だと思っていたアートに関われるようになった」「思いがけず楽しい機会が得られた」「家でもやってみたい」などの声が聞かれ、始まる前のちょっと緊張気味の表情もワーク後にはほぐれ明るくなっていました。


 次回は、12月16日(水)に開催されます。本学教員の兼子一先生に「アートと癒しのこれから」というテーマで、多様なアートセラピーの現状について、先生が行った全国実態調査から総括の講演をしていただきます。